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知的生産と情報の整理の技術について

最近、梅棹忠夫『知的生産の技術』を読んでる。
もう二回目だ。

なにも「知的生産」というのは独創的な人の専売特許というわけではなく、
そのなかにも「技術」と言われるような部分があるはずで…
それは、凡人にも、いや凡人にこそ必要な技術であるはずのものだ。

さて、本書で語られる「知的生産」とは、

頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら ― 情報 ― を、
ひとにわかるかたちで提出すること*1

他方で知的消費とは、知的でありながらも情報生産をしていないものとしている。

趣味としての読書というのも、知的消費の一種であって、
そのかぎりではマージャンや将棋とおなじ性質のものである*2

つまり、本書の定義に従えば、一生懸命に難しい本を読んだところで、
そこから得られた知見をアウトプットしなければ「知的生産」とは言わない。

本書は、梅棹が考案した「京大型カード」を使って情報を整理し、組み替え、
新しい知見に結び付けるノウハウを紹介している。

京大型カードとはB6判の紙のことで、思いついたことを書きとめるためのカードだ。
1枚のカードには、自分が思いついた、あるいは発見した事柄を一つだけ書く。

このカードがたまっていくと、似た傾向の事柄や、不足しているモノが見えてくる。
そこから自分オリジナルの考えなどをまとめていく。
紙を綴じたノートでは情報の組み換え作業ができないので、
こうした用途には向かないと梅棹は書いている。

本書は主に情報のインプットとアウトプット 、及びそのストックの仕方に関する本だ。

でも、単なるHow to本ではなく、1969年に書かれた情報工学の本であり、
彼の描いた未来が、今やEvernoteによって実現されてる!
なんて驚きとともに、一気に読み終えた。

知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

*1:『知的生産の技術』9頁

*2:同10頁